中小企業診断士のブログ

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半導体について

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 近年、各種ニュース記事において半導体というキーワードを目にすることが日常となっています。米中の政治的対立要素には、この半導体が大きく影響しています。米国が中国に対する強硬姿勢を崩さない大きな理由は、間違いなく安全保障上の危機を感じているからでしょう。つまり、現代兵器の性能が半導体技術に左右されるということです。

 

 かつて、半導体産業は日本企業が圧倒的なシェアを誇っていました。下記が、半導体産業の、世界売上高、日本の売上高、日本気漁夫のシェアの推移を示したものです。驚くべきことに、1988年時点で半導体産業における日本の世界シェアを50を超えていました。ところが、現在は、売上高は30年に渡って殆ど成長しておらず、世界シェアも1割を下回るという、惨憺たる状況となっています。

 

 

 図ー1:「日本の半導体産業の現状」

出所:プレジデントオンライン

 ここで、シンプルな疑問としてなぜ急激に凋落したかということは誰でも思いつくでしょう。これには、1986年の日米半導体協定を米国に押し付けられたという歴史的な経緯が影響しています。貿易摩擦の是正という名目で結んだ同協定によって、最低価格制度、世界シェア20%キャップが日本に対して設けられました。日本側で価格が設定できないうちに、韓国や中国が産業の成長を指をくわえてみているしかなかったのです。

 

 

 

図ー2:「世界の半導体市場と主要プレーヤー」

出所:経済産業省「世界の半導体市場と主要なプレーヤー」